鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)/朝鮮王朝人物紀行19

朝鮮王朝518年の歴史の中で8回も王の母による代理政治である垂簾聴政が行なわれた。13代王・明宗(ミョンジョン)の母親である文定(ムンジョン)王后も、それを行なった1人だ。そんな彼女を陰で支えた人物がいる。それが、「朝鮮王朝3大悪女」の1人に数えられる鄭蘭貞(チョンナンジョン)だ。波乱に満ちた鄭蘭貞の生涯を順に辿ってみよう。





厳しい境遇が“悪女”を生んだ

「朝鮮王朝3大悪女」の1人として知られる鄭蘭貞は、役人の父と賤民(チョンミン)の妾だった母親から生まれた。当時の朝鮮王朝では、賤民の子は生まれながらに賤民であり、幼少期は辛い生活だった。鄭蘭貞は低い身分から抜け出すために、権力のある男性と結婚して、辛い境遇の改善を夢見ていた。こうして、鄭蘭貞は出世しそうな人物を探して妓生(キーセン)になった。
優れた容姿をもっていた彼女はすぐに評判となり、自分を求めてくる客の相手をしながら、目当ての男性を探し続けた。そこで出会ったのが、尹元衡(ユン・ウォニョン)だ。
尹元衡は、11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の王妃である文定王后の弟で、姉の後押しを受けて高官に上りつめた人物だ。彼は、一目で鄭蘭貞の美貌の虜となった。




その後、鄭蘭貞はもくろみ通りに尹元衡の妾になることができたが、彼女は妾のままで終わろうとは考えていない。彼女はさらなる飛躍を求めたのだ。
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女帝の手先として暗躍した鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)

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