水原を大都会に!
正祖の父を追慕する気持ちに終わりはなかった。
むしろ、年ごとに強くなる一方だった。
その表れとして、正祖は顕隆園にひんぱんに出掛けるようになった。御陵への行幸は特に陵幸(ヌンヘン)と呼ばれているが、そこに動員される随行員や馬の規模は並ではなかった。
多いときには6000余の人と1400余の馬が王に従ったという。その行列は、街道の庶民たちに王の権威を示す役割を果たした。
正祖といえども、その権威に酔ったところがあったのかもしれない。
彼は顕隆園に何度も陵幸するうちに、水原を大都会にしようと心から考えるようになっていった。
その準備段階として建設を始めたのが、今も典型的な都市城郭として世界遺産にも指定されている華城(ファソン)である。
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