筋金入りの悪女だった金介屎(キム・ゲシ)

金介屎(キム・ゲシ)は、15代王・光海君(クァンヘグン)を裏で支えていた女性だが、目的のためなら手段を選ばなかった。果たして、どんな悪事を働いたのか。





世子になった光海君

幼いころに王宮に入った金介屎。文書の扱いに優れていた彼女は、14代王・宣祖(ソンジョ)に仕えた。
宣祖は、朝鮮王朝で初めて側室から生まれた庶子として王となった人物である。そのため、自分の後継者は必ず正室から生まれた息子にしたいと考えていた。しかし、最初の正室だった懿仁(ウィイン)王后との間に息子は生まれなかった。
宣祖は、仕方なく側室から生まれた長男の臨海君(イメグン)と二男の光海君の2人から世子(セジャ/王の後継者)を選ぶことにした。
朝鮮王朝には「長男が世子になる」という決まりがあったため、宣祖の後を継ぐのは臨海君のはずだった。
しかし、最終的に世子に指名されたのは光海君である。その理由は、1592年に起きた豊臣軍による朝鮮出兵にある。




兄の臨海君は、そのときに豊臣軍の加藤清正の捕虜になってしまった。それが原因で、彼は荒れた生活をするようになった。一方の光海君は、豊臣軍との戦いの中で大きな功績を挙げた。
それによって、自らの立場を有利にした光海君。さらに、金介屎の大きな後押しもあって光海君は世子に指名された。
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