王になった金首露
数日後、卵は孵化し、中から可愛らしい赤ん坊が生まれた。赤ん坊は「金の卵から首を露わにした」という理由で、金首露と名付けられ、王になるように教育された。
成長した金首露は王になると、首都を定め、国の基盤を確立する名君となった。
以上が「金首露伝説」である。その存在の神話性は、王としての在位期間が157年に達している点からもうかがえる。しかし、伽耶そのものは実際に存在し、小国の連合体でありながら、独自の製鉄技術と海上交易で繁栄。三国に対抗する強い勢力を持っていたと見られている。その伽耶も562年、新羅に統合されてしまう。