貞明公主(チョンミョンコンジュ)/朝鮮王朝の美女物語6

洪柱元(ホン・ジュウォン)と結婚

西宮での暮らしは不便だった。
西宮の門はすべて閉鎖されて外部とまったく接触できなかった。そのうえで、餓死しない程度のわずかな食糧を支給されるだけだった。
そんな苦しい境遇の中でも、貞明公主は希望を捨てなかった。
そして、ついに恨みを晴らす日がやってきた。光海君(クァンヘグン)の王位に対するクーデターが1623年に起こったのである。
このクーデターは成功し、光海君が王宮から追放されて新たに仁祖(インジョ)が即位した。
王女として本来の身分に戻った貞明公主。本当に美しい娘に成長していた。
そして、高官の息子であった洪柱元(ホン・ジュウォン)と結婚した。
洪柱元は1606年の生まれだった。貞明公主が1603年の生まれなので、婿のほうが3歳下だった。




結婚に際して、貞明公主に与えられた屋敷と土地は破格だった。貞明公主と洪柱元が住む屋敷は、王宮の昌徳宮(チャンドックン)にとても近く、敷地も広かった。さらに、貞明公主は屋敷とは別に、地方に広大な土地を与えられた。すべて母の仁穆王后が仁祖に要求して実現させたものだった。
「いつまでも、この幸せが続くように……」
仁穆王后はそう願い続けた。
(ページ3に続く)

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