断食が多かった国王
政治的な意図をもって王が断食することもあった。それは、王の命令に従わない臣下に抗議を示す意味合いがあった。
実際、朝鮮王朝時代の王というと、なんでも意のままに政治を動かしていたと思われがちだが、実は高官たちの抵抗を受けることも多かった。
そんなとき、王は果敢にハンガーストライキを実行して、臣下の者たちを牽制したのである。
この「ハンスト」をひんぱんに行なった王として有名なのが4代王の世宗(セジョン)である。朝鮮王朝最高の名君と称された世宗も、実は断食によってかなり健康を害したと言われている。
しかも、彼は肉料理を好み、徹底した偏食でもよく知られた。極端な運動不足であったこともあり、彼は30代で糖尿病を患ってしまった。こと健康管理に関しては、名君とはほど遠い存在だったのだ。
文=康 熙奉(カン ヒボン)