正祖が博学になった理由
ついに、洪相範が決行した。
彼は側近を率いて正祖がいる宮殿に忍び込んだ。しかし、強化された親衛隊の前に一刀も振るうことなく捕まってしまう。
夫の失敗を嘆いた洪相範の妻は、直接的な手段ではなく“呪い”を用いて、正祖を殺害しようとした。いわゆる、呪詛(じゅそ)を仕掛けたのだ。
彼女の行動もまた、正祖を守る側近たちによって未遂に終わった。それでも洪一族は諦めなかった。
彼らは同志を集めてクーデターを起こそうとしたが、正祖の側近たちによって動きを封じられてしまった。
常に命を狙われていた正祖。彼が夜も寝ないで読書に明け暮れたのは、寝込みを襲われないためだった。
その読書のおかけで、正祖は学者顔負けの博学になったのである。