王宮の女性物語9「端敬王后」

中宗の愛に応えた端敬王后

そのことは次第に噂になり、端敬王后の耳にまで届くようになった。彼女は王宮を追放された自分をいつまでも思ってくれる中宗に深く感動した。そして、中宗が自分の住まいをすぐに見つけられるようにと、裏山の岩の上に宮中でよく着ていた薄紅色のチマ(スカート)を置いた。
そのチマを見るたびに中宗は、引き離された妻への愛情を慰めたのだった。2人のこうした悲恋は「チマ岩の伝説」として今も語り継がれている。この話は『宮廷女官 チャングムの誓い』の中にも出てくる。
また、端敬王后は中宗への愛に応えようと、生涯子供を設けることなく、1人寂しく暮らし、1557年に70歳でこの世を去った。




権力闘争に巻き込まれながらも、最後まで真実の愛を貫いた端敬王后。彼女の生きざまは、21代王・英祖(ヨンジョ)の心を強く打ち、死後200数年が経った後に王妃として復位した。

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