仁祖(インジョ)の人生はどこでおかしくなったのか

二つの人生

仁祖の長男の昭顕世子(ソヒョンセジャ)。彼は清での長い人質生活を終えて、1645年に9年ぶりに故国に戻ってきた。
しかし、仁祖は、外国の文物にかぶれているという理由で昭顕世子を冷遇した。この昭顕世子は帰国後わずか2カ月で亡くなってしまうが、仁祖に毒殺されたのではないかという噂が絶えなかった。
真相は藪(やぶ)の中だが、「息子を毒殺したのでは?」と噂されるところが、仁祖の徳のなさを物語っている。
しかも、仁祖は昭顕世子の葬儀を王の後継者だったと思えないくらいに簡略化させて、その名誉を著しく傷つけた。




そればかりか、昭顕世子の正妻だった姜(カン)氏を死罪に追い込み、息子3人を済州島に流罪にしている。そのうちの2人は暗殺された疑いが強い。
仁祖はおそらく、息子一家を意図的に滅ぼしたのだ。
ひどい話である。
結局、仁祖には二つの人生があった。
クーデターを成功させて即位するまでが「第一の人生」。
即位して自ら朝鮮王朝を統治したのが「第二の人生」。
結論から言えば、「第一の人生」は見事であったが、「第二の人生」は凡庸で惨めであった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
新潮講座(03-3266-5776)で「トンイも悪女? 韓国時代劇の主人公は史実とどれだけ違うのか」を開催。4月14日、5月19日、6月9日の3回連続講座/すべて13:30~15:00/9,900円(税込3,300円×3回)。会場は神楽坂。「オクニョ」「トンイ」「イ・サン」「ヘチ」の主人公の知られざる真実を解説。詳しくは下のリンクを見てください。
https://kohza.shinchosha.co.jp/shincho/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=203077

仁祖(インジョ)!何度も王宮から逃げ出した国王

光海君(クァンヘグン)が王になった特殊な理由!

南海の孤島に流された光海君(クァンヘグン)の屈辱!

光海君(クァンヘグン)は仁祖(インジョ)によって暴君にされてしまった!

貞明公主(チョンミョンコンジュ)をいじめた狡猾な仁祖(インジョ)!




固定ページ:
1

2

関連記事

特集記事

ページ上部へ戻る