悠久の日韓古代史・第18回「和議の提案」

偽りの使節

豊臣軍と明との間で、停戦に向けた話し合いが始まった。しかし、朝鮮王朝は和議に真っ向から反対した。あくまでも徹底的に抗戦して豊臣軍を国土から完全に追い出すことを強く主張した。
あまりに朝鮮王朝の反対が強硬だったので、明は独自に豊臣軍との和議を進めた。
明が提案した主な条件は次の通りである。
・拘束している朝鮮王朝の王子2人を釈放する
・豊臣軍は漢陽をひき払った釜山まで下がる
・明の軍勢は豊臣軍の漢陽撤退と同時に引き揚げる
・条件が整えば、明から日本に対して講和のための使節を送る
総司令官の宋応昌は、早く和議を成し遂げるために一計を案じた。あたかも明の皇帝が送った使節であるかのように装って、2人の部下を豊臣軍の軍営に派遣したのである。




何も知らない豊臣軍はこの2人が正式な使節であると勘違いして、漢陽からの撤退を決断した。偽りの使節は、1993年5月には九州北部の名護屋城までやってきて、豊臣側とさらに交渉を重ねた。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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