王と王妃の平均寿命を比較してみよう。朝鮮王朝の27人の王の平均寿命は46.1歳だった。また、42人の王妃の平均寿命は48.7歳である。つまり、平均的に王妃のほうが2.6歳だけ長生きしていたことになる。
一番長生きした王は?
王と王妃は朝鮮王朝の中でも最高の食事をして最良の医術を受けられたのだが、それでも平均寿命が50歳に届いていない。
理由は何か。
王の場合は、食べすぎ、運動不足、ストレスが原因だ。
なにしろ、王は1日5食も食べていた。
それなのに、からだを動かすことをせず、しなければならない仕事は膨大でストレスが多かった。
これでは、長生きはできない。
王妃の場合は、10代で病死したり、出産直後に亡くなるケースがあった。そのように若く亡くなった人が平均寿命を下げていた。
一方、王の中で一番長生きしたのは21代王の英祖(ヨンジョ)である。82歳で亡くなったが、当時としてはかなりの長寿であった。
一番若くして世を去ったのは6代王・端宗(タンジョン)だ。
享年は16歳だった。
彼の場合は、7代王・世祖(セジョ)によって死罪にさせられたので、短命だったのも仕方がなかった。
王妃の中で一番長生きしたのは誰か。
それは、端宗の正妻だった定順(チョンスン)王后だった。
端宗が世を去ったあと、苦難に満ちた生活を送ったのだが、それでも81歳まで生き続けた。
よほど身体が丈夫だったと思われる。
一方、もっとも短命だった王妃は誰か。
それは、8代王・睿宗(イェジョン)の妻だった章順(チャンスン)王后で16歳で世を去っている。
夫の睿宗も19歳で亡くなっている。
二人はとても短命な夫婦だった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)