甦る三国時代・高麗8/高句麗の滅亡(後編)

海東の盛国

大祚栄が初代王となった震は、建国当時から高句麗の後継国を自認していた。それほど高句麗への愛情が深かったのである。
高王の出生には多くの伝説が残されている。
高王の母は彼を妊娠時に北斗七星が輝く夢を見たし、出産のときには部屋から溢れんばかりの光が放たれたという。
それだけに、当時の領民から高王は、神秘の力に守られた人間だと思われた。
そんな高王は在位中に国力の増加に力を注ぎ、領土を拡大していった。
唐は、震の力が大きくなると和睦の道を選び、高王に渤海(パレ)郡の王という職を進呈した。




それを好意的に受けた震は国の名前を渤海に変えて、過去のわだかまりを捨てて、唐と友好的な関係を築いていった。
渤海は200年以上、「海東の盛国」と呼ばれるほどの繁栄を遂げた。高句麗の魂はしっかりと渤海に受け継がれたのである。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

甦る三国時代・高麗1/百済の歴史(前編)

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