復元工事の賜物
1910年に朝鮮半島は日本の植民地になりましたが、その時代に古い施設が撤去されて学校が建てられ、かつて王宮であった痕跡がなくなってしまいました。朝鮮王朝はすでに滅んでいて、初代王の威光も意味をなさなくなっていたのです。
解放後にはソウル高等学校となっていましたが、1987年にその高校を移転させて本格的な復元工事が始まりました。
その復元は、歴史を見直す風潮が後押しした結果でした。そして、発掘調査を通じて主要建築物の位置を特定し、正殿の崇政殿(スンジョンジョン)などが次々に甦っていきました。
今、慶熙宮の敷地内にはソウル歴史博物館もあって、ソウルの歴史が一目でわかるようになっています。
文=康 熙奉(カン ヒボン)