悠久の日韓古代史・第3話「仏教伝来」

聖王が日本に仏教を伝えた

501年、25代の武寧王(ムニョンワン)が即位し、百済は彼の統率によって国力を盛り返すことができた。
しかし、26代・聖王(ソンワン/日本では聖明王と呼ばれている)の時代になると、再び劣勢となり、泗沘(サビ/現在の扶余〔プヨ〕)に遷都せざるをえなくなった。
それでも聖王は新羅(シルラ)と協力関係を結び、一時的とはいえ高句麗の勢力を駆逐することもあった。
さらに、聖王は日本とより深い関係を結んでおきたいと願った。その気持ちのあらわれとして彼は日本に仏教を伝えた。
仏教が日本に伝来した年は、552年(壬申年)と538年(戊午年)という2つの説がある。
552年説は『日本書紀』の記述が根拠だ。一方、538年説は『元興寺縁起』(飛鳥寺の後身となる元興寺の由来を説明した書)や『上宮聖徳法王帝説』(聖徳太子の伝記)が元になっている。




山川出版社の高校教科書『日本史』は538年説が有力だと紹介しているが、552年説を支持する学者もいる。
年を確定する明確な証拠はまだない。
いずれにしても、聖王の使者が来日して、欽明天皇に釈迦仏の金銅像と経論などを贈呈した。
使者は口上を述べた。
「仏教は多くの法の中でも一番優れています。遠く天竺(てんじく/インド)から三韓(朝鮮半島)まで、人々が仏教の教えにしたがっています。百済王はつつしんで倭国に伝え、仏の道が広く伝わることを願っております」
(ページ3に続く)

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