日本語読みで引く人物事典7〔ち~て〕編

朝鮮王朝の歴史を彩った重要人物を網羅した人物事典です。日本語の音読みで引けるようになっており、漢字を音読みにして検索してください。今回は〔ち~て〕を取り上げています。

〔ち~て〕

中宗(ちゅうそう/チュンジョン)
〔1488年~1544年〕
11代王。在位は1506~1544年。10代王・燕山君(ヨンサングン)の異母弟で、晋城大君(チンソンデグン)という名でも知られる。燕山君を追放するクーデターで王位に上がったが、クーデターを主導した重臣たちに頭が上がらず、王政の独自性を発揮できなかった。

張禧嬪(ちょう・きびん/チャン・ヒビン)
〔1659年~1701年〕
19代王・粛宗(スクチョン)の側室および正室。一介の宮女から粛宗の側室となり、1688年に王子を出産。一度は側室から正室に昇格したが、再び降格。1701年には神堂を建てて王妃を呪い殺そうとしたことが発覚し、死罪となった。朝鮮王朝でもっとも有名な悪役ヒロインで、ドラマや映画に登場する回数は断然の一番だ。

趙光祖(ちょう・こうそ/チョ・グァンジョ)
〔1482~1519年〕
政治家。11代王・中宗(チュンジョン)に重用され、王に倫理観に基づいた儒教的な王道政治を説いた。中宗の即位に功績があった高官たちを「権力を独占している」と批判して多くの政敵をつくってしまい、結局は謀略によって失脚させられて死罪となった。

長今(ちょうこん/チャングム)
〔生没年は不明〕
『朝鮮王朝実録』の記述に登場する医女。。16世紀前半、11代王・中宗(チュンジョン)の侍医を務めたと推定されている。中宗の信頼を得ていたことから、非常に有能であったと思われる。彼女を主人公にして時代劇『宮廷女官 チャングムの誓い』が制作された。

張緑水(ちょう・りょくすい/チャン・ノクス)
〔?~1506年〕
10代王・燕山君(ヨンサングン)の側室。貧しい家の出身ながら、歌と踊りを覚えて妓生(キセン)になり、燕山君の寵愛を受ける。王と一緒に遊興し、国家の財宝を着服。庶民の憎悪を買う。1506年、クーデターで燕山君が王位を追われたあと、張緑水は斬首となり、その遺体は市中にさらされた。

貞熹(ていき/チョンヒ)王后
〔1418~1483年〕
7代王・世祖(セジョ)の正妻。夫が政変を起こそうとしたとき、その行動に躊躇があることを見のがさず、迷う夫に鎧を着せて気合で送り出したという逸話が残る。政変は成功し、夫は王となったが、内助の功が本当に大きかった。時代劇『王女の男』でも最後まで重要な役に設定されていた。

貞純(ていじゅん/チョンスン)王后
〔1745~1805年〕
21代王・英祖(ヨンジョ)の二番目の正妻。英祖より年齢が51歳下だった。英祖の息子であった思悼(サド)世子は10歳上で、相性が悪かったこともあり、思悼世子の失脚に陰で動いた。22代王・正祖(チョンジョ)の時代になって辛うじて罪をのがれたが、1800年に正祖が亡くなったときは毒殺説の首謀者と噂されたこともあった。23代王・純祖(スンジョ)の後見人となり、キリスト教の虐殺事件を引き起こしている。

定宗(ていそう/チョンジョン)
〔1357~1419年〕 2代王。在位は1398~1400年。李成桂(イ・ソンゲ)の二男・芳果(バングァ)のことであり、父の王位を継いだが、実権は弟の芳遠(バンウォン)に握られて、独自の王政をできなかった。1400年に退位して、以後はひっそりと暮らした。

鄭道伝(てい・どうでん/チョン・ドジョン)
〔1342~1398年〕
政治家および儒学者 朝鮮王朝を開いた李成桂(イ・ソンゲ)が一番頼りにした側近で、王朝創設期の基盤づくりに貢献した第一等の功臣だった。1398年、李成桂の八男の芳碵(バンソク)を支えて彼の異母兄を排除しようとしたが、五男の芳遠(バンウォン)に機先を制されて殺害された。

鄭蘭貞(てい・らんてい/チョン・ナンジョン)
〔?~1565年〕
11代王・中宗(チュンジョン)の正室だった文定(ムンジョン)王后の側近。王宮の支配をもくろむ王妃の手先として暗躍し、王妃の死とともに失脚して自害した。

哲宗(てつそう/チョルチョン)
〔1831~1863年〕
25代王。在位は1849~1863年。元範(ウォムボム)という名でも知られる。21代王・英祖(ヨンジョ)の4代下の直系で、米びつに閉じ込められて餓死した思悼(サド)世子の曾孫。王族とはいえ、江華島(カンファド)で農民をしていたが、23代王・純祖(スンジョ)の正妻だった純元(スヌォン)王后の指名によって18歳で王位に上がった。学識に欠けて権力もなかったことから、お飾りとして玉座に座らざるをえなかった。

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