朝鮮王朝随一の偉人
官職を得て出世することが栄誉とされた当時としては大変な屈辱ですが、逆に言えばこの期間は“天からの恵み”でした。
というのは、医学書の執筆に費やすことができたのです。その末に1610年に完成させたのが「東宝医鑑」という医学書です。
各症状に合わせて治療法が述べられており、当時としては画期的な本でした。その後は活版による印刷も行なわれて、朝鮮半島だけでなく日本や中国でも出版されるようになりました。
現代でも「東宝医鑑」は韓国の韓方医(漢方で診察する医師)が参考にしています。400年以上も前の医学書がいまだに役立っているということに驚きます。許浚はそれくらい偉大な業績を挙げたのです。
人のために役立ったという意味では、許浚は朝鮮王朝随一の偉人ではないかと思われます。