人気が高い時代劇の『不滅の恋人』が描く時代は、歴史背景からすると1450年代前半だ。ドラマに登場するイ・ガンは歴史的に首陽大君(スヤンデグン)のことで、イ・フィは安平大君(アンピョンデグン)に該当するのだが、史実では2人にどんな対立があったのだろうか。
首陽大君の野心
首陽大君の資質を高く評価した父の世宗は、様々な国家事業を彼にまかせ、彼もその期待にそむくことなく素晴らしい成果をあげた。
しかし、首陽大君がもっとも発揮したのは、武人としての資質だった。力が強く、弓の腕も並はずれたものだった。文武を兼ね備えた豪傑であったことは間違いない。
彼はそんな自分の資質を周囲に見せようとしていた。父王である世宗に自分を後継者として認めてもらいたかったのだろう。勉強ばかりする兄の文宗(ムンジョン)より文武を兼ね備えた自分こそが王にふさわしいと主張した。
朝鮮王朝では、3代王・太宗(テジョン)が、国のために長男ではなく三男の世宗を後継者にした過去があった。首陽大君もその前例を狙ったのである。
しかし、文宗に対する世宗の信頼はあつかった。
落胆した首陽大君。誰よりもよく国を治める自信があっただけに、彼はやるせない気持ちに沈んだ。
ただし、文宗は世子のときから病弱だった。それが首陽大君の野心がわずかに残る根拠となった。
自分の気持ちにあまりに正直で野心を隠すことができなかった首陽大君は、世宗の治世時代の末期に、まるで自分が王のような発言をしたこともある。文宗のときには公務執行を妨害するなど王族としてあるまじき態度も見せた。
そもそも、世宗は自分の息子たちを重用した。子をかわいがる気持ちもあったが、それよりは臣下たちを牽制する目的が大きかった。
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『不滅の恋人』でユン・シユンが演じるイ・フィは安平大君のこと!
『不滅の恋人』のイ・ガンのモデルは首陽大君(スヤンデグン/世祖〔セジョ〕)!
首陽大君(スヤンデグン)は弟の安平大君(アンピョンデグン)を悪意で死罪にした!