知りたい朝鮮王朝24/イ・ヨンの父・純祖の苦悩

勢道政治という悪政

邪魔者を徹底的に排除して一族の力を強化した貞純王后。そんな彼女でも、政敵だった金祖淳(キム・ジョスン)の娘と純祖の結婚を阻止できなかった。
金祖淳は貞純王后と敵対しながらも、「辛酉迫害」を生き延びた1人だった。そして、純祖が14歳になり貞純王后が代理の政治責任者から退くと、金祖純の一族が政治を牛耳るようになった。つまり、安東(アンドン)・金氏(キムシ)の勢道政治(王の外戚が中心になって行なう政治)が始まったのだ(安東は金祖純一族の始祖の出身地である)。
引退した貞純王后は1年後に死んでしまい、中心人物を失った一派は自然と没落していった。
国王の義父となった金祖淳は、一族の繁栄に力を注ぎ、政敵は容赦なく処罰していった。こうして安東・金氏一族は王朝の要職をすべて独占するようになった。それは王である純祖に深い恐怖を与えていく。




「彼らは強い権力をもってしまった……。この状況を打破するために、どのようにしたらいいのか」
純祖は安東・金氏を牽制しようとしたのだが、思うような成果をあげられなかった。
朝鮮王朝は混乱するばかりだった。これは、政治を担った大臣たちが国を正しい方向へ導こうとするより、強い権力を求めて党争に明け暮れた結果であった。
その被害を最も受けたのが庶民であり、彼らはたまらずに反乱を起こした。
(ページ3に続く)

知りたい朝鮮王朝1/最高実力者になった李成桂

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知りたい朝鮮王朝23/イ・サン(正祖)が進めた政治改革

知りたい朝鮮王朝25/憲宗と哲宗の不幸




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