王権を強化した9代王・成宗(ソンジョン)/朝鮮王朝国王列伝9

生没年/1457年~1494年
在位/1469年~1494年

成宗(ソンジョン)は、世祖(セジョ)の長男だった懿敬(ウィギョン)の息子である。1469年に即位したときはまだ12歳だったので、世祖の妻であった貞熹(チョンヒ)王后が摂政を行なった。

名君と讃えられた王

1476年、成人した成宗は、ようやく親政を行なえるようになった。彼が真っ先に行なったのは、早くして亡くなった父・懿敬を王として追悼することだった。このことは成宗の孝行心を広く伝える結果になった。
さらに成宗は、好き勝手に振る舞う貞喜王后の取り巻きから権力を取りあげようとした。成宗は若い士林(サリム)派(儒教を尊び学問に秀でた者)を重用し、才能ある者には積極的に役職を与えていった。




そうすることで、貞喜王后の影響力を弱めることが可能になった。
政治的なバランスを取った成宗は、その後本格的な道学政治の基礎を固めるために、仏教をさらに抑圧し、儒教の発展に力を注いだ。結果的に、全国のほとんどの仏教寺院が町中から追放された。そのうえで、成宗は儒教学者たちの討論の場を活性化させ、学問と教育を一層推進した。
また、成宗は辺境の地の平定にも力を入れた。
結果的に、成宗の治世時代には大きな動乱もなく、庶民は彼を名君と讃えた。そんな成宗も女性関係では大きな問題を残した。そのことだけが惜しまれるのだが……。
記事提供:「朝鮮王朝オッテヨ」

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